情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「ニャーニャー」

食べ終わったらしく、俺の足の周りをスリスリと八の字にチョロチョロするヒョウ。

しっぽの先までしっかりと絡めてくる。

「人懐っこいな」

「凪ちゃんに可愛がられてんだろ。彪くんだけに」

今度はケツを蹴っ飛ばしてやった。

「いってぇ! 冗談だっつーの! ったく凶暴だな本当に」

「どれ。連れてくぞ」

持ってきたケージにヒョウを入れる。

ケージに入れられるのはあまり好きじゃないらしい。

「ちょっとだけ我慢だヒョウ。今日から俺んちな」

「ニャー」

「てかよ。凪ちゃん、もっといいとこ住めるよな?」

彪が俺も気になっていた事を言った。
これは俺の予想だが、未成年で保証人もいないとなると普通なら借りられない。
たぶんここはそこをなんとかクリアできたんだろう。

今も頼る人がいないから引っ越せないでいたのかもしれない。
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