情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「アイツも退院したら俺んちに住ませる」

これは凪がどこに住んでたとしてもそうするつもりだった。

「だよな。ここじゃ防犯もクソもねぇもんな。よく今まで無事だったよ」

「運が良かったとしか考えられないな。仕事も夜だし」

「本当だな」

それからマンションに戻りヒョウをケージから出せば、勢いよく飛び出した。

よっぽど出たかったらしい。

そしてさっそく新しく用意したトイレを見つけて用を済ませていた。

あ、トイレ我慢してたのか?

それから家中をクンクン嗅ぎながら走り回って、やっと探検も終わって戻ってきたと思えば、ソファに座る俺の膝の上にピョコんと乗ってグルグルっと喉を鳴らして丸まって寝てしまった。

俺はそんなヒョウの頭を撫でる。
自由きままなヤツだ。

凪。早くお前もここに来い。
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