情炎の花〜その瞳に囚われて〜
〜凪side〜

「ヒョウ。今日も元気に飯食ってたぞ」

玄は私が目が覚めてからというもの、時間さえあれば顔を出してくれる。

「そう。よかった」

「傷は? 痛むか?」

「まぁ。まだ少しね」

「ごめんな」

まただ。
どうして玄が謝るのか。
私が勝手にした事なのに。

「大丈夫。そういえば、お店は?」

「ああ。入院もまだ続くし、3か月くらいは復帰できないだろうな」

「そっか…」

からだ、なまっちゃいそうだな…

シュンとする私を見て玄も申し訳ない顔をした。
いけない。
私こそ命を助けてもらったのに。

ドクターが言っていた。
傷は幸い浅かったけど無事だったのは、すぐに適正な止血をして早急に病院へ連れてきてくれたおかげだと。

私が気を失う直前、彼は言った。

『生きろ』と。

私は彼に助けてもらったこの命を彼の為につかいたいと思った。
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