情炎の花〜その瞳に囚われて〜
ーーーー


あの事件から3週間が経ち、いよいよ退院する日が来て玄が迎えにきた。

運転手付きのギラギラのフルスモークの黒塗りの車で。
松田さんといういかつい人と一緒に。

うん。
はっきり聞いてないけどやっぱりそうだよね?
そういう事だよね?

そして一旦ヒョウが待つ玄のマンションに行く事に。

すると見覚えのある高級マンションに着いた。

「え? ここ? ヒョウってどっちの?」

「どっちも」

「彪くんと同じマンションだったの?」

そう。ここは前に彪くんに連れて来られたマンションだった。

「ああ。ここは俺がオーナーしてる」

お、オーナー?
それよりここって…

「ペット禁止って彪くん言ってたよ?」

「みんなはな。俺は別。俺が許可する」

なにそれ。

「あはは!」

やばい。
初めてこんなに声を出して笑ったかもしれない。

そんな私を知ってか知らずか玄は私を見て優しく微笑んだ。

「行くぞ」

手を取り歩き出した。

松田さんはここでお別れらしい。
頭を下げて見送ってくれた。
私もペコっと返した。
< 111 / 259 >

この作品をシェア

pagetop