情炎の花〜その瞳に囚われて〜
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今日は彪くんと夜ご飯を食べる約束をしている。

玄は会合ってのがあって遅くなるらしい。


彪くんのタトゥースタジオの近くのダイニングバーで落ち合う。

渡部さんは少し距離をとって座った。

「凪ちゃん! お疲れ様」

あ、彪くんだ。
今日は肩下くらいのパーマのロングヘアをおろしていて、ロンTを着ている。
首からはいつものタトゥーが見える。

「彪くんもお疲れ様」

「再来月の頭から店に出るんだって?」

「うん。緊張する」

「え? 凪ちゃんも緊張とかすんの?」

「いつもするよ?」

「ははは。知らなかったなそれは。全くわからなかった」

飲み物がきてカチンと乾杯をした。

「それで? なんか元気なくね?」

彪くんは私のあまり動かない表情筋ももう慣れたらしく、今では結構わかりやすいよと言う。

「あ…わかる?」
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