情炎の花〜その瞳に囚われて〜
明るい所で見た彼は、ロン毛の黒い髪にはパーマがかかっていて、ひとまとめに結んでいた。
オシャレなイケメンだ。

ナチュラルなストレートの眉は自然に上を向いていて、パッチリとした二重の目は涙袋があって少し垂れ気味。
鼻はキュッと幅が狭く高い。
口は笑うと片方にだけ八重歯が見えた。
シュッとした輪郭にバランスよく配置されたパーツ。
甘いマスクのイケメンだ。

私より少し歳上だろうか。

そして彼の着ているオーバーサイズのブラックのティシャツからは、甘いマスクから想像できないようなカラフルなタトゥーが首や腕など所狭しと描かれていた。

「ビショビショなっちまったな。怪我してないかちゃんと確認した方がいい。悪いんだけど、ここペット禁止だからそのまま連れてきてもらえる?」

ずいぶんカラフルなお兄さんだけど、不思議と怖さは感じない。
むしろ爽やかさすら感じる。
顔も優しげだし、物腰が柔らかいからかな。


「あ。はい」
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