情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「わかる。玄と同じくらい」

そうなんだ。
彪くんはきっと玄が罪悪感で一緒になった事とか知ってるよね…。

「実はね…私たち…その…」

「私たち?」

「あの…キ、キスしかしてなくて…」

彪くんが息を飲んだのがわかった。
だよね。
普通付き合ってればするよね。
ましてや同棲までしてるのに。
やっぱり玄は私の事そういう目で見てないんじゃないかと思う。

「ま、まじ? あれ? 怪我って…」

「もう、とっくに大丈夫」

「だよな…」

「男の人って、その…」

「したいと思うかって?」

コクっと頷く。

「そりゃぁな」

「彪くんも?」

「ああ。俺もするよ」

「彼女いないよね?」

「いないけど、まぁ…できるよね」

それって…

「玄も…そういう事する相手が、他にいるの?」

「は?」

彪くんが珍しく眉間にシワを寄せた。

「玄はやっぱり、私とはしたくないって事だよね?」

「いや…したいと思ってると思うよ? アイツ凪ちゃんにゾッコンじゃん」
< 120 / 259 >

この作品をシェア

pagetop