情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「そうなの?」

彪くんがとんでもない事を言った。
え…
玄て私の事本当に好きなの?
だとしたらなんで?
どこを?

「え? 知らなかったの? アイツ、彼女作ったの初めてだよ」

嘘…

「し、知らなかった…。彼女になると同棲しなきゃいけないって言ってたけど」

「アイツそんな事言ってたの? まぁ、若頭の女だからそりゃ目の届く所で守るだろうけど、別に同棲しなきゃいけないわけじゃないよ」

「そうなの? なんか決まりでもあるのかと思ってた」

「アイツが、凪ちゃんと離れたくないだけだよ」

嘘だ。
彪くんは知らないんだ。
玄の本音。

「凪ちゃんから誘えば?」

「え…誘う?」

「そ。しよーって」

「んむ! 無理だよそんなの。私、した事ないもん!」

彪くんはそれはそれは驚いた顔をした。

「いやいや、した事ないって…え⁈ しょ、処女⁈」

ありえないみたいに笑ったと思えば、驚いた後声を潜めて聞いてきたので、私はコクっと頷いた。
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