情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「タトゥー?」
「そう。俺も。背中とかそうだよ」
「火傷?」
「そ。ボッコボコだからね俺」
そう言って彪くんは笑った。
「見たい」
そう言うとケータイを見せてくれた。
「ほら。これ」
凄い。
そこには般若心経がズラっと書かれた文字を背景にドーンと般若の顔があった。
写真をタトゥーにしたみたいな、とてもリアルな絵柄。
怒った時の彪くんみたいだ。
傷なんか全然見えなくなってる。
「凄いね! 全然傷跡わかんないよ? どのへん?」
「俺の背中ほとんど全体に傷あるよ。触ればわかる」
「玄もはいってる…よね?」
「見た事ないの?」
「ちゃんとは…」
「俺と同じ彫師がいれたんだよ。俺の師匠」
「そうなんだ」
「とりあえず、玄に相談してみれば?」
「うん。もしするなら彪くんがいい」
「もちろん」
そう言って彪くんはフワッと笑った。
さっそく帰ったら話してみよう。
傷が目立たなくなれば、玄も罪悪感から解放されるかもしれない。
その時はきっと私から離れていってしまうんだろうな。
これ以上苦しませたくない。
そう。玄は私を見ると笑ってるけどどこか辛そうな顔をする。
そのたびにスッと距離をとったりして…
離れていたくないなんて嘘だ。
玄は必要以上にほとんど近づいて来ないから。
「そう。俺も。背中とかそうだよ」
「火傷?」
「そ。ボッコボコだからね俺」
そう言って彪くんは笑った。
「見たい」
そう言うとケータイを見せてくれた。
「ほら。これ」
凄い。
そこには般若心経がズラっと書かれた文字を背景にドーンと般若の顔があった。
写真をタトゥーにしたみたいな、とてもリアルな絵柄。
怒った時の彪くんみたいだ。
傷なんか全然見えなくなってる。
「凄いね! 全然傷跡わかんないよ? どのへん?」
「俺の背中ほとんど全体に傷あるよ。触ればわかる」
「玄もはいってる…よね?」
「見た事ないの?」
「ちゃんとは…」
「俺と同じ彫師がいれたんだよ。俺の師匠」
「そうなんだ」
「とりあえず、玄に相談してみれば?」
「うん。もしするなら彪くんがいい」
「もちろん」
そう言って彪くんはフワッと笑った。
さっそく帰ったら話してみよう。
傷が目立たなくなれば、玄も罪悪感から解放されるかもしれない。
その時はきっと私から離れていってしまうんだろうな。
これ以上苦しませたくない。
そう。玄は私を見ると笑ってるけどどこか辛そうな顔をする。
そのたびにスッと距離をとったりして…
離れていたくないなんて嘘だ。
玄は必要以上にほとんど近づいて来ないから。