情炎の花〜その瞳に囚われて〜
〜玄side〜

車の後部座席に深く座って足を組み、外の流れる景色を見ながら大きくタバコの煙をはく。

やっと帰れる。

今日は会合があって遅くなった。
まぁこれでも早い方だが。

凪はもう寝ているだろうか。

凪と同棲してからというもの、少しも離れたくない俺は仕事に行くのも嫌になるほど側にいたい。
本当は一日中めちゃくちゃに抱いていたいくらいだ。

すると携帯が鳴る。

"彪"

今日は凪と飯行くって言ってたもんな。

「はい」

『お疲れ。今帰りか?』

「ああ」

『お前、抱いてないの?』

は? なんだ急に。

「なんで」

『お前なんで抱かねぇの?』

なんでって…

「壊れんだろ」

『やっぱり。凪ちゃん勘違いしてたぞ』

勘違い?

「なにを」

『他に誰かいるのかって』

「いねぇよ。お前も知ってんだろ」

他の女なんてもう抱く気にもなんねぇ。
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