情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「んで?」

俺は彪の部屋に入るなりソファの真ん中に座る。

「なぁ、ここ俺んちな? 何でお前が家主みたいに座って俺が立ったままなんだよ」

「うるせぇ。お前らなんの話ししてんだよ」

「いや、なんか凪ちゃん傷跡気にしてたから、カバーアップの話しした流れで」

そういう事か。

「凪、やっぱり傷跡気にしてたのか」

「違えよ。お前が謝るからだよ」

「どういう事だ?」

「凪ちゃんは、刺されて傷が残ったのは気にしてない」

「意味がわからん」

「お前が抱かないから、傷のせいだと思ってんだよ」

「は? なんでそうなんの?」

「傷跡が気持ち悪いのかなって」

「傷があってもなくても、んなの関係ねぇよ」

「そう言うと思って、そこは否定しといたけど」

「傷の事でどーのこーの言えねぇだろ。俺の方がヤベェだろそんなん」
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