情炎の花〜その瞳に囚われて〜
俺の背中には大きな傷がある。

一つは小3の時。
急に後ろから襲われた。
それは一瞬の出来事で日本刀で思いっきり切られた。
油断していた俺が悪かった。
すぐにそいつは駆けつけた組員に取り押さえられて連行されて行った。
死ぬとこだった。
さすがに親父もご立腹で、まぁガキだったしなんも聞いてないが、もうこの世にはいないはずだ。

そしてもう一つは、二十歳になったばかりの時。
銃撃戦で親父の援護をしている時、頭上から巨大な割れた窓ガラスや鉄筋などが落ちてきて親父をかばった時。
破片や鉄屑などが背中に刺さりまくった。
思わず何回背中やられてんだよと笑ってしまった。

親父にも、「お前背中ばっかだな」なんて言われる始末だ。
親父の盾になったのに笑われるなんてな。
まぁそういう運命なんだろうと思う事にした。

そして傷が治ったタイミングで、彪と二人で傷だらけの背中に彫物を入れにいった。

「お前ら二人して背中ひでぇな」なんて言われながら、彪の師匠である彫師に彫ってもらった。
< 128 / 259 >

この作品をシェア

pagetop