情炎の花〜その瞳に囚われて〜



「ごめんな。視界、雨で悪くて、ブレーキ遅かったな」


部屋に行く途中も話しは続く。
一体何階なのかグングンと上昇するエレベーター。

「い、いえ。私が急に飛び出しただけですし」

「危なかったよ。俺、轢いたかと思ったもん」

「すみません…」

「いや、俺が悪いから。猫は? 大丈夫そう?」

「寝ちゃったみたいです」

「ははは。そっか。はい、どーぞ」

話していればいつのまにかドアの前についていたのか、中へ案内される。
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