情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「てかお前、よく我慢できんな」

「いや。俺もそろそろやばい」

まじで。でも壊しそうで…

「凪ちゃんさ…その…未経験…

「なぁ。お前らマジで」

思わず語尾が強くなる。

「友達第一号だから!」

彪が慌てた様子で最終兵器の言葉を出す。
これを言われると何も言えない。
凪にとって彪は大事な友達なのはわかってる。

「ッチ。あ? 未経験? 未経験って言ったか?」

「ああ。良かったな」

ニヤニヤする彪。
俺は頭を抱えた。

さすがにあんな見た目だし経験くらいしてんのかと思ってた。
モテないわけない。
知らない男に嫉妬まで勝手にしてた。

まじか。顔をあげた。

「なぁ。気持ち悪りぃ顔すんな」

彪が俺を見て引き攣った顔をしている。
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