情炎の花〜その瞳に囚われて〜
もっと近くに
〜凪side〜

やっぱり今日は遅いか…。
そろそろ寝ようかな。
そう思った時、玄関のライトが光った。
帰ってきた!

玄関まで小走りで向かう。

「おかえりなさい」

「ただいま」

玄は私を軽く引き寄せいつものようにオデコにキスを落とした。
顔をあげれば優しい笑みを浮かべ見下ろす玄と目が合い、微笑み合った。

いつ見ても綺麗な顔。
カッコいい。

彪くんもイケメンだけど玄は更にイケメンだ。

関東を統括する最大規模の極道の若頭だなんて。
意外というかなんというか。
私には優しいから、あの銃撃戦を見た今でもいまいちピンと来ない。

「ニャー」

ヒョウもやってきて玄をお出迎えしている。
玄の足の周りを回って、ちょこんと目の前でお座りをした。

そんなヒョウを玄はそっと抱き上げると、自分の肩に乗せて優しく撫でた。
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