情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「どれ。風呂入る」

「あ、うん」

「一緒に入るか?」

え?
いつもそんな事言わないのに。
私はわかりやすく赤面してしまった。

「冗談だよ。そんな焦んな。そのうちな」

冗談…
そのうち…

「う、うん」

そして玄はお風呂から上がると今度は何を思ったのかいつもはしっかり服を着て出てくるのに、パンツ一丁で出てきた。

私はその見事な裸に驚いて釘付けになってしまった。
すごい引き締まった筋肉。
モデルみたい。
そして背中だけじゃなかったんだ…
ほぼ全身に…
ちょっと意外だ。
この一見爽やかそうな綺麗な顔面からは想像できない感じ。

玄は着替える時も私の前では見せなかったから、てっきり背中だけだと思っていた。

「気になってたんだろ?」

彪くんだ…。
彪くんがさっそく言ってくれたんだ…。
そして玄もそれを聞いてすぐに…。

「うん。見たい」

「どーぞ。好きなだけ」

一つ一つ見る。
綺麗。
絵画だこれは。

「その辺は全部彪がした」

肩や腕、胸、脚、お腹にも…
それに想像してたよりずっと逞しい身体だ。
見事な筋肉に思わず息を飲む。
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