情炎の花〜その瞳に囚われて〜
そして玄はゆっくりと背中を私に向けた。

凄い…
こんな芸術的な。
写真みたい。
しかも、彪くんとお揃いだ。

吸い込まれるようにそっと触れる。

すると玄が一瞬ピクっと動いた。

え…
傷…?

玄も彪くんみたいに…?

傷の跡にそってゆっくりとなぞれば、右の肩から左の腰までの大きな傷があった。
その他にもたくさん…

「ヤベェだろ。傷」

「綺麗…。綺麗だよ。全然わかんない」

「そうか。怖くないか?」

怖い? なんで? どこが?

「全然」

「さすがだな」

そう言ってフッと笑った。

「怖がる人いたの?」

「女に見せた事ねぇ」

え…?

「そ、そうなの?」

「ああ。凪が初めてだ。この先も、他の女に見せる気はねぇ。お前だけだぞこんなんして見せんの」

私だけ…
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