情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「凪もカバーすんのか?」

そこまで聞いてたのね。

「してみてもいいかなって…」

「俺はそのままでも気になんねぇけどな」

そうなの?

「私も別に気にしてるわけじゃないけど…でもこんな綺麗なの見せられたら普通に憧れるかも」

「綺麗って…ありがとな」

玄は背中を向けたままお礼を言った。

「私こそありがとう。見せてくれて。嬉しい」

「怖がるかと思って」

「それで見せないようにしてたの?」

「まぁ」

「怖くないよ」

「昔、日本刀で切られたんだ。あといろいろ」

「昔って?」

「小3と二十歳」

「小3⁈」

「ああ。後ろから急にな。そういう世界なんだよ俺が生きる世界は」

「痛かったよね」

「まぁそれなりだ。子供や女は狙われやすい。お前も…。でも、それでも、お前といたい。好きなんだ。本当に」

玄は辛そうな声を出した。
好きって…
本当に…?
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