情炎の花〜その瞳に囚われて〜
私は後ろから玄に抱きつく。
「私も…危険だとしても、玄といたい。好きだから」
「凪…」
玄がこちらを向いたと思えば、急に噛み付くよなキスが降ってきた。
それはまるであの雨の日のキスみたいな、熱く、深く、激情の塊みたいに。
一気に飲み込まれそうになる。
「ん…はぁ…」
苦しい。
「鼻で息をするんだ」
止まらないキス。
僅かな隙間から息を吸おうとすれば、また波のように追いかけてきて私の舌に吸い付くように絡めてくる。
「んっ…」
広い静かなリビングにキスの音が響いている。
ジンジンとお腹の奥が熱い。
もっと…
このままやめないで…
「凪…抱きたい…」
そっと唇が離れたと思えばキツく抱きしめられ、耳元で聞いたこともないような声で囁かれた。
それはまるで懇願しているような。
私は迷わずコクっと頷いた。