情炎の花〜その瞳に囚われて〜
私達はお互いどこかで勘違いをしていた。

目と目が絡み合う。
窓から僅かに差し込む月明かりに、玄の瞳がゆらゆらと揺れて見える。

私を見下ろしオデコにキスをした。
そこからゆっくりと目や鼻、頬へ移動する玄の優しい口付けに、玄の気持ちが伝わってくるようでそれだけで幸せな気持ちになった。

そしてまた私を見下ろして優しく微笑むその黒い瞳の奥には、静かに音もなく情炎の灯火が揺れて見える。

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