情炎の花〜その瞳に囚われて〜
凪の鳴く声が頭の中でまだ響いてる。

ヤベェな、本当に。

もっと俺で乱れて欲しい。
他の事なんて考えられないくらいに。
俺は欲張りだから。

凪は俺の背中を見ても怖がるどころか綺麗だと言った。

まぁ絵柄の事なんだろうけど。
あんなボコボコの背中を見てそんな風に言われるとは思っていなかった。

そっと俺の傷跡をなぞるように触れた指からは、凪の優しい気持ちが伝わってきた。

俺たちはお互い言葉が少なくて、肝心なところで想いがちゃんと伝わってなかった。

凪は彪が言っていたように、俺が同情や罪悪感から一緒にいたと思っていたらしい。

それでもいいからと…。

この三ヶ月、凪はそんな事を思いながらも一緒にいてくれたのだと思うと胸が締め付けられた。



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