情炎の花〜その瞳に囚われて〜
彼の後ろをついて行く。

リビングに入るとガラス張りになっていて30畳は余裕でこすくらいの広い空間に、足がすくんでしまう。

彼はそのまま別な部屋に行くと、ラタンのカゴとタオルを持ってきて、カゴの中にタオルをしいた。

「こんな感じでいいかな? 猫、おける?」

私はTシャツの中から子猫をそっと出して、そのままカゴの中に寝かせた。

一瞬ぐいーっと伸びたと思えばそのままお腹を出して仰向けに寝てしまった。

かわいい。
ヒョウ柄だ。
飼い猫だったのだろうか?
首輪はついていない。
これベンガルっていうんじゃなかったっけ?

野良猫でもこういう柄の猫いるのかな?


「大丈夫そうだね。君、怪我はない? 身体とか痛みとか」

「あ、本当にそれは大丈夫です」

「あ、肘。擦りむいてる」

彼に言われて彼が指をさす左肘を見れば、確かに擦りむいていた。
でも全然こんなのは平気だ。

「病院でみてもら…

「大丈夫です。本当に」

こんなんで病院なんて行かないよ。
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