情炎の花〜その瞳に囚われて〜
激情
〜彪side〜

玄のやつ…。

しっかりしろよな。
まったく。

まぁ今頃凪ちゃんとよろしくやってんだろ。

はぁーやめやめ。

俺も久しぶりに暴れたい気分だわ。
そして携帯を操作してバイクを走らせた。


ーーーー

「ん…」

電話?
今さっき寝たばかりだというのに起こされる。
ったくうるせぇなぁ。

画面を見れば玄だ。

時刻は4時半。

あいつバカなの?

「んだよ…」

『やべぇわ。寝れねぇ』

しらねぇよ!

「凪ちゃんは」

『気失って寝てる』

なぁ。
だからさぁ。

「暴れんなって言ったろが」

でもうまくいったんだな。
ホッとする。

『いや、全然。ほぼなんもしてねぇって。お前んち行っていい? このままだと襲いそうなんだわ』

「俺いま家いねぇし」

『女?』

「ああ」

『帰ってこいよ』

なぁ。
お前それ…

「お前、俺のなんなんだよ」

『はは! 唯一無二だろ』

玄は言い切った。
まったく。
これだから。

「待ってろ」

俺は横の女が絡みついて寝てる腕を振り払い、着替え始める。

「え? 帰っちゃうの?」

「ああ。わり。んじゃな」
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