情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「ご飯は?」

突然話題を変える凪。

「まだ」

「それじゃ、今あっためるね」

そう言って、キッチンへ逃げて行った。

「クックック。逃げんなよ」

「に、逃げてない」

凪はずっと一人で生きてきただけあって驚くほど料理上手だ。

「今日は何?」

「今日は、チキンのトマト煮込みだよ」

「楽しみだ。着替えてくる」

キッチンに立つ凪の隣に行って頬にキスをする。
ここは本家とは違い組員が飯を用意するわけではない。

俺が一人で住んでた時は来てたが、今は呼んだ時以外は来るなと言っている。

親父にも早く会わせろと口酸っぱく言われてる。

そろそ本家に連れていかないとな。
正月だな。
勢揃いするし。

着替えが終わりリビングに戻ればトマトのいい香りが広がっていた。

こんな日常が過ごせるなんて思ってもみなかった。

そして腹一杯食べた後は二人で風呂に入って、キスマークは我慢してたっぷりと凪を食べた。

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