情炎の花〜その瞳に囚われて〜
黒澤組
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〜彪side〜

「なぁ。何で俺も?」

月日はたち正月。俺は玄に攫われて凪ちゃんと本家に向かっている。

今日は松田の運転で、アメリカ製のばかデカい黒のフルスモークのSUVだ。

「あ? 顔合わせなんだからお前もに決まってんだろ。兄弟なんだ」

サラッと嬉しいことを言う。
そして凪ちゃんを見ればいつの間にか寝ていた。

はははは。
よく今から極道の家に行くのに寝れるよな。
その辺、肝が座ってるというかなんというか。

「凪ちゃん、寝てんだけど」

「ああ。朝までずっと抱いてた」

玄はサラッと言う。

「なぁ。お前、猿なの?」

「うるせぇ。寝かせとけ」

「凪ちゃん、壊れるとか言ってよビビってたくせに、めちゃくちゃじゃんか」

「凪は、意外とタフだった」

まぁあの身体じゃな。
バッキバキだしな。

「お前、変なこと考えてねぇだろうな」

ギロっと睨まれる。

「あのな、俺、散々凪ちゃんから聞かされてっからな?」
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