情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「あ?」

「お前が初めて抱いた時なんて

「お前らマジで、なんなの?」

「いや、だから! 友達第一号!」

「ッチ!」

ッチじゃねぇっつうの。

「あっちこっち向くのかとかよ」

玄は大きく目を開いた。

「俺もなのかとか。本当、なんも知らねぇんだもんよ」

「あっちこっちって何だ?」

玄はわかってなかった。

「体位だよ。ったく。お前、変な事してねぇだろうな」

「してねぇわ」

「なんでもいいけどよ。ノロケ聞かされるこっちの身にもなれっての」

そんな事を話していれば、黒澤組の門の前へ到着した。
いつ見ても要塞みたいだなここは。

高い無機質なコンクリートの壁に厳つい門構え。
そこら中には防犯カメラ。
ドンとデカい看板のような表札。

ここで俺は大学生まで育ててもらった。
感謝しかねぇ。
< 179 / 259 >

この作品をシェア

pagetop