情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「肘。だして」
「あ、はい。すみません」
「ちょっとだけごめんな? しみるかも」
そう言って手当てをしてくれた。
「ありがとうございます」
「悪かった。本当に。あとはない?」
「はい。ないです」
お風呂の時からだを確認したけど、大丈夫だった。
猫にひっ掻かれたところ以外は。
「なら良かった。それじゃちょっと、俺も入ってきていい?」
「あ! どうぞどうぞ! すみません。先に」
「いーよいーよ。ゆっくりしてて」
そう言ってお兄さんはお風呂場に向かった。
その間にTシャツを脱いで消毒液を借りてひっ掻かれた傷にも消毒をして、また何事もなかったようにTシャツを着た。
よし。
あー眠い…
ヤバい。
窓の外に視線を向ければまだ激しい雨が降っている。
なんだかお風呂に入ったら急に睡魔が襲ってきてしまった。
寝ちゃダメと言い聞かせるも瞼が重い。
いう事をなかなか聞かない。
あーダメだ…