情炎の花〜その瞳に囚われて〜
全員揃ったところで遂に親父が姿を現した。

相変わらずだな。
玄にそっくりだ。

凪ちゃんを見ればジッと親父を真っ直ぐに見ていた。
驚くわけでもなく、怯えるわけでもなく。
ただジッと前を向いていた。

その横顔からは凪ちゃんの感情は俺には読み取れない。

そして順番が回ってくる。

「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

玄が挨拶をすると俺たちは揃えて頭を下げた。

「ああ」

親父は人前だからか表情は動かない。
でも絶対驚いてる。

「親父。紹介する。俺の女の凪だ。連れてきたぞ」

「始めまして。小野寺凪と申します」

そう言って凪ちゃんは綺麗にまた頭を下げた。
その声は凛としていて、ここにいる全員が息を飲むのが感じられた。
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