情炎の花〜その瞳に囚われて〜
そこからは打って変わって、酒も入ればもうただのおっさん達のどんちゃん騒ぎだ。

「玄坊。こんな別嬪初めて見たぞ」

「彪、お前も早く連れてこい」

だの言いたい放題だ。

玄のこめかみがピクピクしている。

そんな玄を見て親父も目を細めていた。
喜んでんなアレ。

すると親父と目が合い、ちょいちょいと手招きされる。

「彪。お前いろいろ知ってんだろどうせ。教えろ」

「何をだよ」

「ほれ、どうやって知り合ったかとかよ」

「んなの玄に聞けよ」

そして頭を引っ叩かれる。

「イッて!」

「馬鹿お前、玄が言うわけねぇだろ」

「あーまぁそうか。今度な」

「彪、お前絶対だからな」

「わかったよ」

「嘘ついたらお前の店、片っ端からぶち壊すぞ」

何言っちゃってんのこの人。
本当にやりそうでこえーよ!

「ふざけんなよ! とにかくまた今度だ」

「凪ちゃん、嫁にきてくれっかな?」

「さぁな。だといいとは思ってるよ俺も」

これは本当に思ってる。
二人はどう考えてるかわかんないけど、俺はそうなればいいと思ってる。


そうしてどんちゃん騒ぎの正月行事が無事に終わった。
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