情炎の花〜その瞳に囚われて〜
事件
〜玄side〜

親父に挨拶に行けば案の定驚かれる。

それもそうだろう。
ここに女を連れてくるという事は、将来を覚悟した上でじゃないと無理だ。

その中には自分の娘を俺の嫁にどうかと連れてきてる奴らもいる。
これは毎年の事だ。

今年は凪を連れて行った事で、さすがに馬鹿な事を言ってくる奴はいなかったがな。
まぁ、凪を見れば誰も叶うとは思わないだろう。

凪は特に心配する事もなく淡々と過ごしていた。
いちいち動揺して騒ぐタイプではないし、気を許した仲でないと心の内を見せない。

表情ひとつ変えないその姿は、側から見ると凛としていて高貴な女性に見えただろう。

安易に近づくなと言っているようにも見える。

凪はこうやって生きてきた。
凪はこうやって自分を守ってきたんだと。
良くも悪くも凪の生き様を見せられた気がした。
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