情炎の花〜その瞳に囚われて〜
凪はそんな俺の拳を優しく撫で微笑む。
俺の背中の柔らかい表情をした彫物みたいに。

「凪、これ」

用意していた一粒のダイヤのネックレスを凪に付けた。

「綺麗。ありがとう」

「ああ。似合ってる。外すなよ」

「うん。わかった」

実はこのネックレスはGPSが付いている。
まぁ、俺の女に手を出す命知らずな馬鹿はいないはずだが、念の為に。

「それじゃ行くか」

凪にファーのアウターを着せて、部屋を出た。

出かける時は俺が乗る車の前後に最低でも一台ずつ護衛がつく。

今日もエレベーターを出れば松田が待っていてその他にも数名の組員。
凪につけてる渡部もいる。

車に乗り込みレストランへ向かった。
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