情炎の花〜その瞳に囚われて〜
〜凪side〜

玄を見送り部屋で一人掃除をしていると、インターホンがなった。

あ、渡部さんだ。

解除のボタンを押す。

すると携帯がなった。
知らない番号…

まさか玄に何かあった…?

そう思って出る。

「凪。元気だった? 私よ。美津子」

え…美津子って…
祖母の娘…?
なんで? 今更…

「あなた、今黒澤組の若頭と一緒にいるんですってね?」

ドクンドクンと心臓がおかしな動きをする。
手が震える。

「あなた、わかってるわよね? 戸籍は私の娘なのよ? 私、黒澤組と敵対する組長と一緒になってるのよ。だから、あなたはこちらの組の人間なの。こっちに来てもらわないと。言ってる意味わかるわね? 断れば抗争になるのよ? そちらの若頭に、危険な目にあってほしくないなら今すぐその家をでなさい。今ちょうど迎えをやってるから」
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