情炎の花〜その瞳に囚われて〜
そしてまた殴られた。

「アンタ本当にムカつくわね！　なんでそんな平然としてんのよ！」

私は別にもともとこうだ。
それに頬を叩かれるより祖母に脚を叩かれる方が痛かった。

「ま、これからあんたにはたっぷり男たちのエサになってもらうわよ。一生汚い部屋から出さないから。毎日、気持ち悪い親父の相手をして、死ぬまでそこでヒーヒー言ってればいいわ」

それは無理！

「ははは！　さすがに驚いた？　試しにあんた、ここで一発味見でもしたら？」

そう言ってチンピラみたいな男たちに声をかける。
男たちがゆっくりと目をギラつかせて、ジリジリと距離を詰めてきた。

後づさりしようにも拘束されてどうにもならない。

そしてその時だった。

けたたましいタイヤの音が聞こえたかと思えば、ガシャーンと凄い音がしてシャッターごと破壊しながら黒塗りの車が何台も入ってきた。
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