情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「ど、どうか…お許し…ください」

「お前、何発殴った」

「え…?」

「何発殴ったって聞いてんだ」

「さ、3発…」

「おい、ペンチ持ってこい」

そして組員がペンチを差し出す。

「口押さえとけ」

組員が女をひざまづかせ口を無理矢理開けさせると、歯を…

「玄! まって!」

やっと私の拘束も組員によって外され、私は玄に抱きついた。

「凪。だめだ。落とし前つけさせねぇと。向こう行ってろ」

それでも離れない私。

「おい。凪連れてけ」

玄を見れば怒りで我を失ってるように見えて、
私は人前であろうが関係なしに玄の両頬を掴みキスをした。

咄嗟のことで玄もさすがに驚いている。
でも少しするとスッと表情が和らぐ。

玄は組員に手で合図をしたと思えば、私を抱き抱え車へと向かって歩き出した。

「そのままフロだ」

「承知」

そう言い残して。
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