情炎の花〜その瞳に囚われて〜
〜玄side〜

「若! 防犯カメラに傘下の安藤んとこの車がマンションから出て行くのが映ってました!」

なんだと?
安藤?

俺は正月の時の面子を思い返す。
そして一人の女がいたのを思い出した。
まさか…
確か以前何度か嫁にどうかと言われた事があったな。
あの狸親父の娘か?

あそこは正月だけ顔を出すだけで何もしねぇお荷物みたいな小せえ組だ。
昔からのよしみってだけでぶら下がってるような。

「若。携帯の復元も終わりました。最終履歴が、凪さんの母親の番号と一致しました」

母親?

「母親とは連絡とれたか?」

「はい。身の危険を感じたのかベラベラと吐きました。やはり安藤の娘にけしかけられたそうです」

「弁護士呼んで、母親の籍から凪を抜けさせろ」

「承知」
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