情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「帰ろう。ヒョウも待ってる。顔も…冷やさないと」
凪の頬にそっと手を添える。
こんな赤くなって…
凪は悪くないのに。
「うん」
そうして窓を開けて組員を呼び運転席に組員が乗ると、俺たちは帰路についた。
家に入りまたネックレスを付けてやる。
「外すなよ?」
「うん。ごめんね?」
「いいんだ。俺を守るために出てったんだろ?」
コクっと頷く凪。
「ありがとな」
凪は首を横に振る。
「嘘でも、さよならなんて書きたくなかった…」
「わかってる。わかってるから」
「玄…」
「信じてたから」
「ありがとう…」
そして二人しばらく黙って抱きしめ合った。
お互いの気持ちを確かめるように。
離れるなんて絶対に無理だ。