情炎の花〜その瞳に囚われて〜
変わらず玄は俺んちのソファにドカッと座る。
もういちいち俺も突っ込まない。

「なぁ」

「どした?」

「あの…」

なんだ?
珍しく言いづらそうにしてる。

「なんだよ」

「プロポーズってどうやんの?」

は?
何で俺に聞く?

「いや知らねぇよ! 俺もした事ねぇわ!」

どうやら玄はいよいよ凪ちゃんにプロポーズをする事にしたらしい。

「松田に聞けば?」

松田はああ見えて妻子持ちだ。

「絶対無理。こんなのお前にしか無理」

ほら。サラッと言う。
仕方ねぇな。
俺は携帯を操作する。

「まず指輪だ。婚約指輪だと。んで、どっかのレストランとか行って、結婚して下さいって言え」

「指輪か。サイズは?」

「俺が知るわけねぇだろ! 凪ちゃんに聞けよ!」

「驚かしたい」

まじで。少年なの?なぁ。

「んじゃ、凪ちゃん寝てる時でも何とかして測れよ」

「バレない?」

何を楽しそうに言ってんだかよ。
お前の顔、鏡で見せたいわ本当に。

「大丈夫だろ」
< 207 / 259 >

この作品をシェア

pagetop