情炎の花〜その瞳に囚われて〜
部屋で玄とソファに並んで話す。
「神社とチャペルどっちがいい?」
考えたこともなかった…
え?
できるの?
「大丈夫なの?」
「ああ。傘下の組がフロント企業として式場を経営してんだ。まぁ、護衛は着くけど、スタッフみたいな格好するから、普通に挙げれる」
そうだったんだ。
さすがというかなんというか。
「それじゃ、チャペルがいい」
「俺もドレス見たい」
チュッとキスをされた。
「あ、でも…バージンロード、誰にしてもらえば…」
「俺たち二人で歩こう」
「…うん。ありがとう」
「楽しみだな。入籍はいつがいい?」
「玄は?」
「それじゃ、四月十六日にしよう」
え…私の誕生日…
誰にも今まで祝ってもらえなかった日…
生まれてこなければよかったと言われ続けた日々。
私の一番嫌いな日。