情炎の花〜その瞳に囚われて〜
私は思わず顔を両手で覆った。
玄はわかってて私の誕生日を結婚記念日にしようと言ってるんだ。
涙が止まらない。

「凪…お前は生まれてきて良かったんだ。これからは、二人で一緒に祝おう」

「ありがとう…」

玄は包み込むように優しく私を抱きしめて、頭を撫でる。

「ニャー」

私が泣いていればヒョウもやってきて、私の顔をクンクンとしてペロペロと舐める。
「泣かないで」と言ってるみたいに。

「ヒョウ…ありがとう」

玄はそんなヒョウの事も撫でる。

こんなに幸せで良いのだろうかと思う程にみんなで寄り添って、幸せを噛み締めた。
< 226 / 259 >

この作品をシェア

pagetop