情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「ああ。お前は、自由だ」

いつの間に…
玄がしてくれたんだ…

本人じゃなくても大丈夫なの?
と思ったが、まぁ玄ならなんとかできるんだろう。
その辺は聞かないでおく。

そして二人で窓口にドキドキしながら書類を提出する。

窓口の職員は淡々と記入漏れがないかのチェックを済ませると、ニコリともせずそれはそれば事務的に「おめでとうございます」なんて言って、私達はあっさり夫婦になった。

こ、こんな感じなんですね…

玄と思わず顔を見合わせる。
お互い何も口にしないが絶対これは同じ事を思ったはずだ。

そして私は黒澤凪になった。
そして二十四歳になった。

そういえばヒョウを拾ったのも今くらいの時期だったな。
もう一年になるのか…。



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