情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「ははは。何でよ。いいでしょ」

「玄もだけどさ、彪くんも目立つんだからさ」

え? 今さら?  てか、凪ちゃんを見てるんだと思うんだけどな。

「まぁ、気にすんな。ほら、きたんじゃない?」

「美味しそう」

ヨダレ出そうになってんぞー。

さっそくナイフで半分に切り分けて交換した。

「おお。うめぇ。肉って感じ」

凪ちゃんも美味しいを連発してパクパク食べ進める。

すると凪ちゃんが口を押さえた。

「ぅうっ…」

「え? 大丈夫? 詰まった?」

俺は水を渡す。

凪ちゃんはいらないと首を横に振ったと思えば立ち上がってトイレへ駆け込んだ。

すかさず護衛も動く。

俺もすぐに後ろを追いかけた。

「凪ちゃん⁈ 大丈夫?」

ドア越しに声をかける。
返事がない。

すると僅かに嗚咽の声がした。

まさか…
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