情炎の花〜その瞳に囚われて〜


少し待つと、ジャーと水が流れる音がして凪ちゃんは真っ青な顔を出した。

「吐いちゃった。勿体無い」

いやいや、今そこ気にする⁈
俺はひとつの可能性として思いあたった事を聞いてみる。

「凪ちゃん。生理きてる?」

「え? 生理? 私、不順で…」

そして少し考えたあとハッとしたように顔をあげた。

「言われてみれば来てないかも…まさか…」

「これから病院行こう」

「ま、待って! まだ玄には言わないで」

え? 何で?

「あ、うん。わかった」

俺は特に気にする事もなく返事をした。
そして護衛にも病院に行く事を告げて、サプライズにでもしたいのかと思って、玄には報告しないようにと言った。

そして婦人科へと連れていけばやっぱり妊娠していた。

若干というか、完全に俺が旦那だと思われたけど。
玄が知ったらまたケツを蹴られそうだな。

にしても玄と凪ちゃんの間に子供が出来たなんてめちゃくちゃ嬉しい。

「良かったね!」

「う、うん…」

ん? 嬉しくないのか?
戸惑ってるだけ?
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