情炎の花〜その瞳に囚われて〜
新しい命
ーーーー

〜玄side〜

クソっ

痛ぇ…

俺は目を閉じる。

「若! 若! しっかり!」

「うるせぇ。喚くな。聞こえてる」

肩も、脇腹もそこまでは酷くなさそうだ。
だが胸は当たってたら危なかった。

胸ポケットに凪にもらったシガーケースを入れていて、運良くそこに当たって胸は無事だった。

凪にまた救われた。

病院へ向かう車で肩と脇腹を押さえそんな事を思った。

そしてそのまま処置室へと向かう。

ストレッチャーが用意されていたがこのくらいなら別に歩ける。

たくよ。

にしても、何度撃たれてもさすがに痛えし、今回は胸にも撃たれてさすがに衝撃が強かったな。
一瞬気を失った。
俺もまだまだだ。

肩も脇腹も掠めただけだった。
あんの下手くそ。
でもあのシガーケースがなかったら、さすがにあの世行きだったかもしれない。

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