情炎の花〜その瞳に囚われて〜
〜凪side〜

う、産まれた…

「凪! 良くやった! 生まれたぞ! 俺にそっくりだ」

玄が騒いでる。
さすがにこういう時は騒ぐらしい。

私はそれだけで胸がいっぱいになった。
こんなに喜んで…

「凪…ありがとう」

「玄…守ってね」

「ああ。必ず」

玄はあの時みたいに、同棲する時に「帰ってきてね」と言った私にかけた時みたいに、強く眼光鋭い目をして言った。

あの時玄は既に全ての覚悟を決めていたんだね。

こうなる未来を。

そして彪くんが付けた名前は『蓮』。
強く逞しく育つようにと。

玄の背中にも蓮の花。
私には芍薬の花。

みんな花で繋がった感じがした。

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