情炎の花〜その瞳に囚われて〜
そして壮大な広い丘の上へと到着する。

一人の男性が立ち並ぶ墓石の前に佇む姿が見えた。

春風に当たって髪が揺れている。




「彪くん」

私は声をかける。
すると彪くんはニコっと笑いながら振り向いた。

「凪ちゃん。皆んなも。変わりないか?」

「彪くん!」

椿が彪くんの元へ駆け寄る。

「おう。椿。今日も声がでけぇな」

なんて言う彪くんは優しい顔をしている。

「彪くん。おはよう。今きたとこ?」

「ああ。さっき来たところ」

蓮が彪くんの隣りに並んだ。
昔の玄と彪くんを見ているみたいだ。
そこに蘭も並ぶ。

蘭ももうすぐ180センチになりそうだな。
大きくなったな本当に。

椿も中学二年生なのにもう170センチになった。

みんな大きい。
< 253 / 259 >

この作品をシェア

pagetop