情炎の花〜その瞳に囚われて〜


一方、私とは血の繋がりのなかった祖母。
ある日突然自分の娘が再婚相手の連子を置いて行って、それはそれは困惑したに違いない。

まだ赤ん坊だった私を一体どんな気持ちで育てたのかと思うと胸がいっぱいになった。

厳しかったけど私をたった一人で育ててくれた。

今となっては感謝しかない。

私が子育てを通して祖母の見方が変わった頃、玄と彪くんにこの気持ちを打ちあければ、二人は快く「一緒に行こう」と言ってくれた。

そして場所を調べてくれて連れてきてくれた。
その日を境に、こうして毎年命日になると家族で顔を見せに来るようになった。

今日だって玄は仕事が立て込んでいて、一昨日から泊まり込みで仕事を片付け、ここへ駆けつけてくれた。

「無理しないで」と言う私に

「血は繋がってなくても、家族だろ。俺の家族でもある」

そう言ってくれた。
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