情炎の花〜その瞳に囚われて〜
玄は私にたくさんの愛を教えてくれた。
かけがえのない存在。

「幸せにする」と言った言葉通り。

何度か私も子供達も攫われそうになった事もあった。
それでも玄はいつもすぐに駆けつけ、守ってくれた。
そして約束の通りどんなに大怪我をしても必ず帰ってきた。

住む世界は暗くて厳しい場所に身をおいているかもしれない。
身勝手な行動もできない。
不自由な事もたくさんある。

それでも私達は確かに幸せに生きてる。

私は生まれてきてよかったと。


玄は今も変わらずたくさんの愛を私に注ぎ続けてくれる。
そして子供達にも。

玄が結婚する時に言ってくれた。

「この命が尽きるまで、お前を愛す」と。

「いつ命を落とすかわからない世界でも、命ある限り愛し抜く」と。

そして「俺に何があっても生きろ」と。

今も私の胸に刻まれたその言葉は、私に生きる意味を持たせてくれている。




< 257 / 259 >

この作品をシェア

pagetop