情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「帰ろう」

私は玄を見上げる。

「ああ。また来年こような」

「うん」

そして微笑み合った。

「んじゃ、俺たちは彪くんとこのまま出かけるから。お二人さんは仲良く帰ってくださいな」

蓮が言う。

既に蘭と椿は、彪くんの車に乗り込もうとしている。

「蓮! 行くぞ! 玄! 凪ちゃん! また後でなー」

彪くんは車から叫んだ。

「おう。頼むな」

私も玄の隣で手を振る。
護衛の車が彪くんの車の前後について走り去っていった。

「帰るぞ。凪」

「うん」

「さすがに腹減った」

「それじゃ、家に帰ったらご飯食べよう?」

「凪を食べる」

相変わらず玄はいまだにこんな事を言う。
そして私も今だに顔を赤くしてしまう。

「顔真っ赤。かわいいな本当に」

そう言って頬にキスをされる。
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