情炎の花〜その瞳に囚われて〜
一度照明が落ち音楽がなる。

よし。
楽しもう。
スポットライトが当たればこちらからは眩しくてほとんど客席は見えない。

暗い中ポールに片手を添えてポーズをとる。

そしてパーンとスポットライトが当たったと同時に動き出す。

スピンを決める度に鳴り響く拍手。

気持ちいい。

私を見て。
今だけは。

そして客席を見渡す。
やっぱりあんまり見えない。

その時だった。

客席の後ろから物凄いオーラを放つ男性と目が合った。

思わずハッと息を飲んだ。

な、なに。
だ、誰…。

頭の中は一瞬でその事でいっぱいになるも、パフォーマンス中だ。

集中しないと大怪我に繋がる。

なんとか気持ちを立て直し技をこなす。
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