情炎の花〜その瞳に囚われて〜
曲が終わると同時に脚だけをポールに巻き付け、逆さまになって万歳をするように最後にポーズを決める。
会場からはこれまで経験した事もないような盛大な拍手が湧き起こった。
よかった…
無事に終わった。
そしてまたさっきの男性と目が合う。
拍手もせずただ私を見ている。
遠くからでもわかる。
センターパートのナチュラルな髪。
ストレートの眉に、眼光は鋭い。
吸い込まれてしまいそう。
鼻は筋が通り高く、口は真一文字に閉じている。
まるで俳優とかモデルとかみたいな。
とにかく物凄い整った顔だ。
でもなんて冷たい表情なんだろう。
それでも不思議と怖さは感じなかった。
怖いとは違う。
でもわからない。